あなたの知らないトーテムポール

大阪の喫茶店のカウンターに生まれ変わったBC州の巨木
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 さて、BC州の巨木によって生み出された、日本とカナダの不思議な「縁」について話をしたい。1970年に大阪で開催された万国博覧会には、各国のパビリオンに混ざってブリティッシュ・コロンビア州館があった。

 その建物はすべてBC州の巨木で作られていた。当時このパビリオンが気に入って何度も会場に足を運び、閉幕後には巨木が処分されることを知って、ついにその1本を買い取ってしまった日本人の男性がいた。

 その人は仕事を辞め、ほれ込んだ巨木を一枚板のカウンターに使った喫茶店を大阪市内に開業した。僕もかつてこの店にお邪魔したことがある。このカウンターが黒潮によってBC州で育てられ、海を渡って日本にやって来たのかと思うと、なんとも感慨深いものがあった。マスターはお元気にしておられるだろうか。

 さらに、この大阪万博の跡地に開設された国立民族学博物館には、BC州の先住民アーティストが製作した本物のトーテムポールが展示されている。日本列島から太平洋を流れゆく黒潮が生み出した巨木とトーテムポール。それにまつわる事実を知れば知るほど、僕は日本とカナダの不思議な「縁」を感じるのだ。

この連載はカナダ観光局の提供で掲載しています。

著者 平間俊行(ひらまとしゆき)

ジャーナリスト。1964年、宮城県仙台市生まれ。報道機関での勤務のかたわら、2013年から本格的なカナダ取材を開始。歴史を踏まえたカナダの新しい魅力を伝えるべく、Webサイトや雑誌などにカナダの原稿の寄稿を続ける。2014年7月『赤毛のアンと世界一美しい島』(マガジンハウス)、2017年6月『おいしいカナダ 幸せキュイジーヌ旅』(天夢人)を出版。

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