あなたの知らないカナディアンカヌー

白樺の樹皮でできたバーチ・バーク・カヌー
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 夏になると、カナダでは車の上にカヌーを積んで湖や川に出かける人をたくさん目にする。多くの人が子どものころからカヌーに親しみ、普通のことのようにカヌーでの釣りやキャンプを楽しんでいるのだ。

 ここでいうカヌーとは、オープンデッキのカナディアンカヌーと呼ばれる種類。現在、我々が目にするこの種のカヌーは合成樹脂などでできているものが多いが、その基本構造はカナダの先住民が自然の材料から作り出したカヌーとなんら変わっていない。

 現地では「バーチ・バーク・カヌー(Birch-Bark Canoe)」と呼ばれている。白樺(バーチ)の樹皮(バーク)を船体の材料とした先住民のカヌーは、歴史に登場したその瞬間から、既に完成された構造をもっていた。

 樹皮でできた船体は水をはじき、一定の弾力がある。弾力はカヌーにとって重要な要素だ。川を進んでいると浅瀬に出くわすことがある。その際、船体を川底にこすっても、弾力があれば大きなダメージを受けることなくやり過ごせる。

 材料はすべて周囲にある自然のなかで調達できるから、カヌーが多少破損しても自分で修理できる。白樺の木はカナダの東からカナディアンロッキーあたりまで広く分布している。行く先々に修理用の部品があるようなものなのだ。

 白樺の樹皮を縫い合わせるのに使うのは「トウヒ」という植物のツル。その継ぎ目は松ヤニと熊の脂を混ぜたもので防水加工される。すべて自然のなかにあるものから生み出されたカヌーは、あらゆる点で優れた移動・輸送手段だった。

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