プリンス・エドワード島に特有の赤い大地
[画像をタップでギャラリー表示]

 世代を超えて愛され続ける物語『赤毛のアン』。その舞台はカナダ東部、セントローレンス湾に浮かぶプリンス・エドワード島だ。英語のPrince Edward Islandの頭文字からPEI(ピー・イー・アイ)と呼ばれている。

 実はこの島、もとは別の名前を持っていた。ヨーロッパ人がやって来るまで、ここはミクマック族という先住民から「アヴィグウェイト=波間に浮かぶ揺りかご」と呼ばれていたのだ。

 確かにこの島は、横長で真ん中が少しへこんでおり、「揺りかご」のような形をしている。しかし飛行機もドローンもない時代に、彼らがどうやって島の形を知ったのかは謎としか言いようがない。

 それはともかく、カナダでは英語とフランス語が公用語として使われているのは多くの人が知るところだろう。その理由は、のちにカナダとなるこの地で、まず入植を始めたのがフランス人だったから。このため島は、フランス人によって「揺りかご」ではなく「サン・ジャン島」と呼ばれるようになる。

 その後、進出してきたイギリスがフランスとの戦争に勝利し、島の名前もプリンス・エドワード島に改められた。当時のイギリス国王、ジョージ3世の四男のエドワード王子にちなんだ名前だ。

 しかし、3つの名前を比べてみると、昔々、先住民がつけた「波間に浮かぶ揺りかご」が一番ロマンチックで素敵だと思うのだが、いかがだろうか。

 ただし、アンの物語の舞台として島の名前は日本でも広く知られているし、熱烈なファンにとってはこの上なく愛着のある名前だろう。「揺りかご」の方がいい、などと声高に言うとファンの方々にひどく怒られるかもしれないので、心の中で静かに思っているのが得策かもしれない。

おすすめ関連書籍

カナダの謎

なぜ『赤毛のアン』はロブスターを食べないのか?

知らなかったカナダの魅力を、深く、わかりやすく楽しむ。この本を読むと、絶対にカナダに行きたくなる! 〔全国学校図書館協議会選定図書〕

定価:本体1,200円+税

この連載の次の
記事を見る