藤島さんの旅は続く。

 あらかたの予想の通り、次は宇宙だ。なにしろ、今回の話題は宇宙生物学なのである。

 地球上の話題に終始してきたけれど(そしてもちろん、地球は宇宙の中の一つの惑星なのだけれど)、もっと直接的に宇宙をみなければ、アストロバイオロジーの名がすたる! かどうかはともかく、ぼくは当然のように宇宙の話題を期待してきたし、読者もそうだろう。ましてや、藤島さんは、NASAのエイムズ研究センターの研究歴があり、一般読者からしてみると宇宙専門家のように見えるキャリアの持ち主なのである。

 でも、藤島さんの研究から宇宙へとリフトオフするには、これくらいの足場を固めなければならなかった。藤島さん自身の準備としても、ぼくたちの知識の準備としても。

いよいよ宇宙の話を伺おう。
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「宇宙生物学で宇宙の研究をする時に、大きく2種類に分けられると思います。一つは太陽系外の研究でこれは天文学的なアプローチが中心です。もうひとつは太陽系内で、こちらは天文学的な研究だけでなく、直接的な探査ができます。僕自身が興味があるのは太陽系内の方です。というのは、やはり自分たちがデザインした探査機を飛ばして、自分が生きている間に直接観測できるのが魅力的ですから。太陽系内で生命がいる可能性がある場所は幾つか候補が挙がっていて、そこを調べたいという気持ちが強いですね」

 まず、太陽系外の研究というのは、今のところ大きな望遠鏡を使った系外惑星の発見などが中心だ。地球型の岩石惑星がどれだけあるか。それぞれの太陽からの距離やその他の軌道要素の関係で、液体の水が存在しうるか。さらには、望遠鏡で見ることができる、つまり光学的に確認できる生命の徴候(バイオ・シグニチャー)には何があり得るか。そういったことが議論されている。

 一方で、太陽系内の探査は、探査機を近くまで飛ばして、あるいは着陸させて、直接調べることができる。うまくすれば試料を持ち帰るサンプルリターンもできるかもしれない。

 では、太陽系ではどんな場所が、生命探査のターゲットになりうるのだろうか。21世紀になってから様々なニュースが報じられてきたけれど、整理する意味も込めてまずはそれらについて聞いていこう。そのうえで、藤島さん自身の研究計画についても伺おう。

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