「食べる量や体重の管理は別に考えるとして、この時点で私が言えるのは、通常いわれるような健康的な食を心がけること、その中で糖尿病の人や予備軍の人は低血糖・低栄養にはもちろん気をつけて炭水化物を控えめにというところでしょうか。健康な人は炭水化物について言えば、なるべく自然のものからとりましょうといえるくらいです。脂肪についてはスナック菓子や揚げ物ばかりだとか極端な食生活は問題ですが、特に意識して避ける必要はないでしょう。ただ個人の生活や好みのばらつきもありますし、どんなダイエットにも落とし穴はありますから、できれば栄養指導のプロと会話する機会を得て個々の生活習慣全体を見直していくのが好ましいです」

 とのこと。

 最後に日本食。

 今村さんは、日本食、和食について、ずっと関心を抱いている。

「私は、博士論文で食事のパターンを研究して、その後、地中海ダイエットのエビデンスが蓄積していくのを見てきたので、和食らしさをどう捉えて研究すればいいだろうかといつも考えます。白米などの個別の食品や、栄養成分などを多層的に見ながらやっていくべきだと思っているんですが、今のところ日本のデータにかかわる機会がないという状況です」

 今村さん自身の研究はなくとも、現時点での知見からはどんなことが言えるだろう。

「日本食っぽい食事をしてる人って、つまり、白米の摂取が高くて、魚の摂取があって、塩分もそれなりに高くて、野菜をたくさん食べてて、少しのお肉を食べて、つまり満遍なくという感じですよね。地中海食と同じで共通の定義はありませんが、それでも『和食らしさ』を独自に定めて研究した論文はいくつかあって、そういった食事をしている人たちは死亡率が低いか、あるいは平均と変わらないくらいです」

 こういった研究のうちには、2005年に厚労省と農水省が提案した「食事バランスガイド」の検証とでもいうべきコホート研究も含まれていて、前回も触れた。和食のひとつの定義として通用しそうなこのガイドに近い食事をしている人の方が、死亡率が低かったというものだ(※2)(※3)。

農林水産省の「食事バランスガイド」。(出典:農林水産省Webサイト http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/
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(※2)Kurotani K, Akter S, Kashino I, et al. Quality of diet and mortality among Japanese men and women: Japan Public Health Center based prospective study. BMJ. 2016:i1209.
https://doi.org/10.1136/bmj.i1209

(※3)Oba S, Nagata C, Nakamura K, et al. Diet Based on the Japanese Food Guide Spinning Top and Subsequent Mortality among Men and Women in a General Japanese Population. J Am Diet Assoc. 2009;109(9):1540-1547.
https://doi.org/10.1016/j.jada.2009.06.367

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