第6回 こんなサプリメントにご用心

 サプリメント専門ショッピングサイトで見たところ、本当におびただしい種類がある。トップページに名前が出ている人気商品としては、各種ビタミン、カルシウム、鉄といった伝統的なものはもちろん、コラーゲン、ヒアルロン酸、プラセンタ(牛や豚の胎盤のエキス!)、コエンザイムQ10、ロイヤルゼリー、そして、オメガ3脂肪酸といったものまで。

(イメージ写真)
[画像のクリックで拡大表示]

 ここでは、今村さんが自分の研究でも扱ったことがある脂肪の摂取について取り上げる。サプリの効果を見るための研究ではないが、脂肪酸の効用は今村さんにとって専門の一つと言える。

「脂肪酸の種類って、固い脂質の飽和脂肪酸と液体の脂質の不飽和脂肪酸に分けられるんです。飽和脂肪酸はラードやバターなどに多く入っていて、不飽和脂肪酸は、サラダオイル、オリーブオイルなどに多く入っています。不飽和脂肪酸は、さらに、一価と多価というふうに分かれて、最近よく話題になるオメガ3脂肪酸は、多価の不飽和脂肪酸のひとつです。私自身、こういった様々な脂質と、炭水化物の摂取が、血糖値だとか、インスリン濃度だとか、糖尿病の指標にどういう影響を与えているかメタアナリシスをしました。その結論の一つは、炭水化物が多い食事よりも不飽和脂肪酸が多い食事をしたほうが、指標が改善するだろうというものでした」

 なお、「脂肪酸」つながりで、有害とされる「トランス脂肪酸」はどうなのかと思った人もいるだろう。実は、トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種だが、化学構造上の理由で例外的に固くなる。だから「固い脂肪」「液体の脂肪」という分け方をするなら、「固い脂肪」だ。もっとも、トランス脂肪酸は、ある種のマーガリンやショートニングなどの製造過程でできたり(最近はかなり改善されてきている)、スナック菓子などに多いということが問題になっているので、別立てで考えた方がよいテーマではある。

 さて、ここで今村さんが言及しているメタアナリシスは、研究参加者に食事を提供して、その結果、血中の指標がどう変わるかを見た研究を102件も集めて分析したものだ(※1)。系統的レビューの際に設定した条件で抽出した研究は、ランダム化して食事を提供するものに限っていて、栄養疫学分野では貴重な介入研究だ。メタアナリシスのひとつの事例として紹介したかったのだが、先に紹介した「加糖飲料」についてのものよりも扱っている事例が多く、高度に専門的な解析がほどこされているので見送った。興味のある方は是非、これまた膨大な補遺も含めて論文を見てほしい。読み解く能力に応じて、凄みが分かるだろう。

 この論文やその他のエビデンスでどんなことが示唆されるのか、今村さんに簡単に述べてもらうとこんなふうだ。

(※1)Imamura F, Micha R, Wu JHY, et al. Effects of Saturated Fat, Polyunsaturated Fat, Monounsaturated Fat, and Carbohydrate on Glucose-Insulin Homeostasis: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomised Controlled Feeding Trials. PLoS Med. 2016;13(7):e1002087.
https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1002087