観光案内所の前に置かれたティラノサウルスのオブジェ。中に入ることもでき、口の部分にある見晴台からの眺めが素晴らしい。ロイヤル・ティレル古生物学博物館には、恐竜の骨格標本がずらりと並び、16万点を超すコレクションが収蔵、展示されている。
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 アルバータ州南東部に広がるバッドランドと呼ばれるエリアは、恐竜や古代生物の化石が世界で最も多く出ることで知られている。この地区は、白亜紀(1億4550万年前~6600万年前)に北極海とメキシコ湾をつなぐ長大な内海が走っていたと考えられていて、浅瀬のデルタ地帯を中心に、エドモントサウルスをはじめとする恐竜たちが数多く生息していた。

 拠点となるのはドラムヘラーだ。ダウンタウンには低層のオフィスビルやホテル、大通り沿いにはチェーン店が建ち並ぶ北米のどこにでもある小さな町だが、一つの大きな特徴は、至る所に恐竜のオブジェが置かれていることだった。観光案内所の前にある巨大なティラノサウルスを目にしたときは、さすがに仰天した。

 南東へ向かう国道56号線の左側には、地層がむき出しになった砂岩の壁が延々と連なっている。この地を流れるレッド・ディア川とその支流が、気の遠くなるような長い年月をかけて、大平原を深く掘り下げ、凹凸のある地形を生み出したのだ。

 やがてフードゥーと呼ばれる奇岩群が見えてきた。てっぺんに硬い地層を乗せた円錐形の岩が、まるでキノコのように赤茶色の大地からニョキニョキと生えている。夏場は乾燥してしまうのだろうか、岩の付け根部分の土はひび割れ、亀の甲羅のような模様を描き出していた。

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