これがナショナル ジオグラフィックに出てくるようなライオンやらシマウマやらだったら……と、想像してみてください。野生動物の生態を観察するために、ライオンに触れるかといったら無理じゃないですか。えさにされちゃいますよ。シマウマには蹴り殺されちゃうかもしれない。命がけですよ。

 その点、昆虫は人の暮らしの身近に存在しているし、毒虫以外であれば、絶対的安全を確保したうえで、気軽に手にとって、命の不思議にふれることができます。

──昆虫採集は大いにしたほうがいい、と?

 ええ。捕まえて間近で昆虫を見ることで、「生きる」ということの原点が学べるはず。まさに何かを学ぶために、彼らを採るべきです。大いに“昆活”を楽しんでほしいですね。

──香川さんは、この夏に国立科学博物館で開催される特別展「昆虫」において、昆活マイスター(オフィシャルサポーター)を務めるそうですね。最後に、ナショジオ読者と昆虫展へ訪れる方たちに、メッセージをお願いします。

 昆虫展では、「虫が生きる」ということの意味に興味を持ってもらえるような、昆虫を好きになるきっかけになるような、サポートをめざしています。

 とくに子どもたちにはぜひ来てほしいです。昆虫展に訪れるような子は、虫好きが圧倒的に多いはず。

 学校のクラスに自分と同じ虫好きは1人か2人しか居なくて、ふだん寂しい思いをしている子も、「こんなに同好の士がいるんだ!」とうれしくなるんじゃないかな。昆虫仲間の友だちもできるチャンスかもしれませんよ。

(おわり)

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特別展「昆虫」

本展では、世界に一点だけのヤンバルテナガコガネの「ホロタイプ標本」や、本展の開催に向けマダガスカルで発見してきた新種のセイボウ(青蜂)など、他で は見られない標本が展示される。またこの新種の名前に、選ばれた来場者の名前をつけて新種登録するキャンペーンも実施。昆活マイスター(オフィシャルサポーター)は無類の昆虫好きで知られる俳優の香川照之さんが就任し、香川さんが提案したコンテンツも展示される。

■会期:2018年7月13日(金)~10月8日(月・祝)
■会場:国立科学博物館
■休館日:7月17日(火)、9月3日(月)、9月10日(月)、9月18日(火)、9月25日(火)
■公式ホームページ:http://www.konchuten.jp

香川照之(かがわ てるゆき)

「99.9-刑事専門弁護士-SEASONII(2018年、TBS)」「スニッファースペシャル(2018年、NHK)」など数々のテレビドラマで人気を博す。映画では日本アカデミー賞最優秀助演男優賞受賞など受賞歴多数。NHK Eテレの「香川照之の昆虫すごいぜ!」でのカマキリ先生のキャラクターが人気を呼び、大の昆虫好きの一面が脚光を浴びている。


腰本文子(こしもと ふみこ)

群馬県生まれ。自然・旅・農業・環境などをテーマに活動する、ネイチャー&トラベルライター。子どもの頃からの虫好きが高じて、東京農業大学農学部で昆虫学を専攻。亜熱帯及び里山の動植物全般とその生態系に特に深い関心を持っている。著書に『蝶がいっぱい』(晶文社)、『初めての山野草』(集英社be文庫)、『農薬に頼らずつくる?虫といっしょに家庭菜園』(家の光協会)などがある。

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