──昆虫になじみのないお子さんにこそ、聞かせてあげたい話ですね。

 しかも彼らは、前にも話したように、親に何かを教わるわけでもなく、ひとりぼっちで生き抜いているんです。

──なるほど。そう考えると、昆虫はすごい!

 そういう恐ろしいほどの孤独に耐えて彼らは生きている。そして、たとえばある虫が100匹のきょうだいとともに生まれたとして、そのうちの99匹はほかの生きものに食べられてしまう。1匹だけが生き残って子孫を残すわけですよ。

 べつに虫がそう望んでいるわけじゃないんだけど、えさとなってほかの生きものの命もつなぐという、利他的で献身的な役割を自然界で担っているのが、昆虫なんです。そんなこと、人間にできますかって話です(笑)

 そういった気高さっていうか、潔さってものを、僕は昆虫に対して感じるんですよ。

──かつて私も昆虫少年でしたし、周りにも昆虫好きの子が多かったのですが、今はゲームなど子どもの娯楽がたくさんあるせいか、虫に興味を持つ子が少なくなったように感じられます。「昆虫採集はしないで、観察するだけに留めましょう」という風潮も影響しているかもしれませんね。

 捕まえて殺すんじゃなく、手にとってじっくりと観察してから、また野に放してあげればいいんですよ。

 昆虫のいいところは、彼らがどうやって生きているのか、手にとって観察するのにちょうど手頃なサイズだってことです。そして飼育をすれば、比較的短期間のうちに、その虫の一生をつぶさに知ることだってできます。

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