──私も夏に公園などで、セミの幼虫が羽化するシーンを見るのが大好きなんです。殻を脱いだ当初は体が白っぽくて、羽を少しずつ広げていき、だんだんと大人のセミの形になっていく。人間にはとても想像もつかない、劇的な体の変化ですよね。

 ほんとにね、どうやってプログラミングされているのかと、感心します。

 とくにセミなんて7年間、種類によっては13年とか、17年とか土の中にいて、文字通り日の目を見ないで暮らしている。ひと言も声を発しないままね。それなのに羽化したとたん、凄まじくデカい声で鳴き始めるわけでしょう。そして、1週間ほどで死んでいく。もう、わけがわからない。

 ほとんどの昆虫は産みっぱなしで、子どもを育てません。親が教えてくれるわけじゃないし、先生がいるわけでもない。本能だけで「変態」という、ものすごいことをやってのけている。そんな昆虫に対して、僕は尊敬の念を抱かずにはいられません。

──次は、香川さんの昆虫へのリスペクトについて、存分に語っていただきましょう。

(つづく)

羽化したばかりのアブラゼミ 写真=腰本文子
羽化したばかりのアブラゼミ 写真=腰本文子
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特別展「昆虫」

本展では、世界に一点だけのヤンバルテナガコガネの「ホロタイプ標本」や、本展の開催に向けマダガスカルで発見してきた新種のセイボウ(青蜂)など、他で は見られない標本が展示される。またこの新種の名前に、選ばれた来場者の名前をつけて新種登録するキャンペーンも実施。昆活マイスター(オフィシャルサポーター)は無類の昆虫好きで知られる俳優の香川照之さんが就任し、香川さんが提案したコンテンツも展示される。

■会期:2018年7月13日(金)~10月8日(月・祝)
■会場:国立科学博物館
■休館日:7月17日(火)、9月3日(月)、9月10日(月)、9月18日(火)、9月25日(火)
■公式ホームページ:http://www.konchuten.jp

香川照之(かがわ てるゆき)

「99.9-刑事専門弁護士-SEASONII(2018年、TBS)」「スニッファースペシャル(2018年、NHK)」など数々のテレビドラマで人気を博す。映画では日本アカデミー賞最優秀助演男優賞受賞など受賞歴多数。NHK Eテレの「香川照之の昆虫すごいぜ!」でのカマキリ先生のキャラクターが人気を呼び、大の昆虫好きの一面が脚光を浴びている。


腰本文子(こしもと ふみこ)

群馬県生まれ。自然・旅・農業・環境などをテーマに活動する、ネイチャー&トラベルライター。子どもの頃からの虫好きが高じて、東京農業大学農学部で昆虫学を専攻。亜熱帯及び里山の動植物全般とその生態系に特に深い関心を持っている。著書に『蝶がいっぱい』(晶文社)、『初めての山野草』(集英社be文庫)、『農薬に頼らずつくる?虫といっしょに家庭菜園』(家の光協会)などがある。

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