──それはすごい。採集したものはどうされたのですか。

 ノコギリクワガタはかっこいいですからね。ロケのあいだじゅう手元に置き、さんざん見て、触って、かわいがってから、最後は野山に放ちました。

 カブトムシは家に持ち帰って次の世代へと繋げようとしました。本格的にカブトムシを卵から孵したのはそのときが初めてです。子どもの頃はちゃんと孵したことはなくて、成虫を採っては死なせてしまって終わり、その繰り返しでしたから。

──飼育というと水槽とかに入れて? その後、カブトムシは繁殖したのですか。

 はい。雌が大量に卵を産んでくれたので、ふ化してからもずっと幼虫の成長を見守りました。マメに水槽内の土やマットを替えて。

 ある日、水槽の下の方で蛹室をつくって、ちゃんとさなぎになっているのを見たときは、感動しましたよ。

──変態することが、昆虫という生きものの魅力の1つでもありますよね。

 ほんとにそうです! ついこの前まで丸々太ったイモムシだったのに、さなぎになるとカブトムシの角も手脚もちゃんとできていてね。

 幼虫時代、彼らはのちのち、自分に角が生えて、あんなトゲトゲのある脚ができて、カチカチに硬い鎧のようなボディに生まれ変わるなんてこと、知ってるのかな。ねぇねぇ、あなた、今ぐにゃぐにゃのイモムシだけど、そのことを知ってるの? そう聞きたくなりますよ。

ノコギリクワガタ ©国立科学博物館
ノコギリクワガタ ©国立科学博物館
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