──香川さんの「カマキリ愛」はつとに有名ですが、カマキリのどこにそんなにも魅了されたのでしょうか。
カマキリは、目の前で動く生きものをえさと見なして狩る習性があるんですが、その戦闘能力と動体視力にまず惹かれましたね。なかでも、とくに好きなのは、日本のカマキリの中では最も大型種のオオカマキリ。おとなしい雄でなく、より獰猛で食欲旺盛な雌が好きです。
──カマキリに興味を持ったのは、いつ頃ですか。
高校生のときですね。勉強に忙しくなって、小中学生のときのように濃密な昆虫とのつきあいはなくなっていたんだけど、虫への興味は失せることはありませんでした。
九段下にある高校に通っていたのですが、ちょうど新玉川線(現・東急田園都市線)が開通したばかりで、最寄り駅から世田谷区にある自宅までは徒歩20分くらい。当時の世田谷はけっこう緑が豊かで、帰宅の道中に広がる雑木林やイモ畑は、昆虫とふれあう絶好の場。何か虫がいないかなぁと、ずうっと探しながら帰ってました。
──そこで、よく見つけたのがカマキリ?
そう、オオカマキリ。イモの葉の上でゆらゆら体を揺らしながら獲物を待ち伏せしているのを見つけたら、その場所をチェックして、自宅に鞄をいそいそと置くやいなや、学生服のまま、すっ飛んでその場に戻るんです。
捕虫網では採らない。草むらにいるカマキリは網だと採りにくいので。
──どうやって捕まえるんですか。
カマキリの捕まえ方は本当に研究しましたよ(笑)
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