第2回 カマキリは人生の師匠

 それを見たとき、「ああ、生物というのは飢えていないと本来の魅力は失われるんだな」と実感しました。えさを捕ることを面倒臭がるカマキリのかっこ悪さといったら!

──ハングリーでないと、野生の生物の本来あるべき美しさは損なわれる、と感じたのですね。

 そうなんです。人間もまたしかり、です。

 衣食足りて満足しちゃってから、どのようにハングリー精神を保ち続けていくか……そこが人間の妙味なのですが、精神的にハングリーであり続けることがどれだけ大切か、僕はそれをカマキリから学びました。

──香川さんの「カマキリ愛」の理由が、多少なりともわかった気がします。昆虫の生き様が私たちに教えてくれることの一端も。

 人生を見つめる高校時代、カマキリが教えてくれたことは大きかったですね。そして何より、カマキリが身近にいる暮らしは楽しかったです。

 今だに、庭でオオカマキリを飼っている夢を見ます。

(つづく)

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特別展「昆虫」

本展では、世界に一点だけのヤンバルテナガコガネの「ホロタイプ標本」や、本展の開催に向けマダガスカルで発見してきた新種のセイボウ(青蜂)など、他で は見られない標本が展示される。またこの新種の名前に、選ばれた来場者の名前をつけて新種登録するキャンペーンも実施。昆活マイスター(オフィシャルサポーター)は無類の昆虫好きで知られる俳優の香川照之さんが就任し、香川さんが提案したコンテンツも展示される。

■会期:2018年7月13日(金)~10月8日(月・祝)
■会場:国立科学博物館
■休館日:7月17日(火)、9月3日(月)、9月10日(月)、9月18日(火)、9月25日(火)
■公式ホームページ:http://www.konchuten.jp

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定価:2,970円(税込)

香川照之(かがわ てるゆき)

「99.9-刑事専門弁護士-SEASONII(2018年、TBS)」「スニッファースペシャル(2018年、NHK)」など数々のテレビドラマで人気を博す。映画では日本アカデミー賞最優秀助演男優賞受賞など受賞歴多数。NHK Eテレの「香川照之の昆虫すごいぜ!」でのカマキリ先生のキャラクターが人気を呼び、大の昆虫好きの一面が脚光を浴びている。


腰本文子(こしもと ふみこ)

群馬県生まれ。自然・旅・農業・環境などをテーマに活動する、ネイチャー&トラベルライター。子どもの頃からの虫好きが高じて、東京農業大学農学部で昆虫学を専攻。亜熱帯及び里山の動植物全般とその生態系に特に深い関心を持っている。著書に『蝶がいっぱい』(晶文社)、『初めての山野草』(集英社be文庫)、『農薬に頼らずつくる?虫といっしょに家庭菜園』(家の光協会)などがある。