第1回 クマゼミとの衝撃的な出会い

──昆虫に対する観察眼は、その頃に養われたわけですね。

 こういう草むらにはこんな虫がひそんでいるはずだ。こんな樹相の雑木林なら必ずあの虫がいるに違いない。そういう目が利くようになりましたね。緑が茂っていたら、無意識のうちに虫を探している、そんなクセがついちゃいました。大人になっても、ずっとそのクセが抜けないんです。

──子ども時代に虫が好きでも、大人になるにつれ、受験や就職がハードルとなって、昆虫からしだいに心が離れてしまう人も多いようですが。

 僕にも昆虫とのつきあいがしぜんと薄れかけた時期がありましたが、虫の世界に心をつなぎ止めてくれたのが、何であろう、いちばん好きなカマキリでした。

──では、次は香川さんの、その後の昆虫遍歴について伺いましょう。

コエゾゼミ 写真=腰本文子
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(つづく)

特別展「昆虫」

本展では、世界に一点だけのヤンバルテナガコガネの「ホロタイプ標本」や、本展の開催に向けマダガスカルで発見してきた新種のセイボウ(青蜂)など、他で は見られない標本が展示される。またこの新種の名前に、選ばれた来場者の名前をつけて新種登録するキャンペーンも実施。昆活マイスター(オフィシャルサポーター)は無類の昆虫好きで知られる俳優の香川照之さんが就任し、香川さんが提案したコンテンツも展示される。

■会期:2018年7月13日(金)~10月8日(月・祝)
■会場:国立科学博物館
■休館日:7月17日(火)、9月3日(月)、9月10日(月)、9月18日(火)、9月25日(火)
■公式ホームページ:http://www.konchuten.jp

香川照之(かがわ てるゆき)

「99.9-刑事専門弁護士-SEASONII(2018年、TBS)」「スニッファースペシャル(2018年、NHK)」など数々のテレビドラマで人気を博す。映画では日本アカデミー賞最優秀助演男優賞受賞など受賞歴多数。NHK Eテレの「香川照之の昆虫すごいぜ!」でのカマキリ先生のキャラクターが人気を呼び、大の昆虫好きの一面が脚光を浴びている。


腰本文子(こしもと ふみこ)

群馬県生まれ。自然・旅・農業・環境などをテーマに活動する、ネイチャー&トラベルライター。子どもの頃からの虫好きが高じて、東京農業大学農学部で昆虫学を専攻。亜熱帯及び里山の動植物全般とその生態系に特に深い関心を持っている。著書に『蝶がいっぱい』(晶文社)、『初めての山野草』(集英社be文庫)、『農薬に頼らずつくる?虫といっしょに家庭菜園』(家の光協会)などがある。