第5回 「日本でもレジ袋の規制に踏み出すべき時」

なぜリデュースを強調するのだろうか。
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 国連が掲げる「17の持続可能な開発目標」は、その名の通り17も目標が掲げられているので、時々参照していても、どれが何番目か忘れてしまう。海洋にまつわるのは14番目で、マイクロプラスチック問題は、ここでは「持続的利用を阻害するもの」と位置づけられている。

 また、「3R」は、リデュース(削減)、リユース(繰り返し使う)、リサイクル(資源として再利用する)のことで、どれも大事に思えるのだが、なぜまず、リデュースを強調するのだろうか。

「プラスチックのゴミが発生している時に、それを処理する技術を開発していくのは大事ですが、まずは発生させないようにするのが基本だと思うんです。地球上あるいは社会の中でのものの流れをきちんと考えて、プラスチックのゴミが発生しないような仕組みをつくっていく。まさにプラスチックをできるだけ避けていくということを初めにやる。それでも駄目なものは処理していくということが必要だろうなと考えてます。アインシュタインも言ったそうです。ワイズパーソン、賢い人は問題をアボイドする、問題を避けると」

インド、ムンバイの運河で堆積物を調査。水底がプラゴミで覆われており、堆積物を採取するには何度も採泥器を下ろさなければならなかった。(写真提供:高田秀重)
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 3Rの中で、リデュースが大事だということについては専門家の間でもまったく異論はなく、国連海洋会議では、これまでの「使い捨てプラスチック」という一般的な表現から一歩踏み込んで、「レジ袋規制」が呼びかけられた。

 なぜ、レジ袋なのか。それには、ちゃんとした理由がある。

「プラスチックゴミのボリュームゾーンとしては、やっぱり使い捨てのものです。環境中に出ていくものの中の大体40%ぐらい、あるいはそれ以上が、使い捨てのプラスチックだとされています。そこで、レジ袋や食品包装を規制したら、汚染が激減したという報告も出てきました。例えばアイルランド、それからイスラエルやカリブ海諸国等で、レジ袋禁止の法律ができたり、いろんな規制を行うことで、海岸に漂着するレジ袋の量が8割から9割減ったそうです。これらは、2018年になってから学会で報告がありました。やっぱりマイクロプラスチックが発生する大元を断っていけば、海の汚染は減らすことができるというふうに意を強くしました」

 スーパーやコンビニでもらうレジ袋。あるいは、食べ物が入っている容器や包装。ああいったものが「ボリュームゾーン」だったとは!