第5回 「ゲリラ豪雨」の被害をできるだけ避けるには

「晴れて気温が上がる夏の日には、関東甲信地方では大規模な海風が発生します。海上から内陸に向かう風なので水蒸気がたくさん含まれています。それが、山地に当って上昇することで起爆がおきます。これはまだ比較的予測しやすい場合です」

 この場合、山という目に見えるものによって空気の塊(つまりパーセルくん!)が持ち上がり、起爆が起きる。荒木さん自身が、マイクロ波放射計(後述)という装置を使って、水蒸気分布を調べ、そのメカニズムをあらわにした研究がすでにある。

「対流の起爆」が局地的大雨を予測するカギの1つだ。
「対流の起爆」が局地的大雨を予測するカギの1つだ。
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「水蒸気をたっぷり含んだ海風が吹き込んできて、高度1.5キロくらいまでの厚さで水蒸気量が増えるんです。よく『大気の状態が不安定』といいますが、下層の水蒸気量が増えるほど不安定になり、不安定の度合いが大きいほど積乱雲は少しの持ち上げでより高くまで発達できるようになります。日中12時ぐらいにかけて不安定度がピークになって、それから降水が始まり、その降水ピークは17時です。そうやって、大気の不安定な状態が解消されるわけです。山で発生する積乱雲は、どこかで発生しそうだということはある程度は予想できつつあるんですが、正確な予測は未だ難しい状況です。私たちがやったこういう観測って、それまでなかったので、積乱雲発生のプロセスを理解していって、予測モデルを改良していけるかな、というところです」

 ただし、局地的大雨の予測には、さらに難しい場合がある。

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