第5回 時を超えるVR博物館と未来予測ライフログ

「電車の思い出のぞき窓」は、埼玉県さいたま市の鉄道博物館で体験することができる。博物館に置いてある展示の古い車両は動かないので、昔の映像を同時に見せたいのだが、ただ固定されたモニタで見るだけではつまらない。

 採用されているのは本当に単純なインターフェイスで、iPadを実物の列車に向けてかざすと画面の中で列車が動き始める。その時、「行動誘発」という技術で動画が撮られた時のカメラの動きと同じ方向に自分の体も自然と動いてしまうようにできている。最初は正面から、やがて自分の左(あるいは右)を通り過ぎ、列車の側面、最後は後ろ姿を見送ることになる。たったこれだけなのだが、自らその場にいて撮影しているかのような臨場感が得られる。

鉄道博物館「電車の思い出のぞき窓」

「列車が走ってる映像と一緒に体を動かしながら見ると、ただ映像が流れているよりも、気づくことがいっぱいあるんですね。例えばここに踏切があって、みたいな、空間的な位置関係がすごくわかりやすくなるとか、今の車両と昔の車両の違いが気づきやすくなるとか、体を動かすことによって、環境の把握などが容易になると」

タブレットを使って今はもう動かせない鉄道の映像を博物館で見せる「電車の思い出のぞき窓」を研究室で疑似体験させてもらった。過去と現実を重ねることによって、気づくことが増えるという。
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