――ゲルリンデさんが高所登山のパートナー、チームメートに求めることは?

「登りたい、登るんだ」というモチベーションを保ち続けられることですね。普段とは違う環境でも、悪天候などで思うような条件で登れなかったとしても、気持ちを切らさずに我慢強く山に向き合える忍耐力も必要。また、正直に何でも話せることです。たとえば「今日は調子が悪い」と思ったときに、それを正直に伝え合うことができるか。

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――逆に、チームメートにいたら困るタイプは?

「こんな条件では行けるか分からないな……」などと、すぐにマイナスなことを考えたり、口に出してしまうような、ネガティブ・シンキングな人は、一緒に山を登る仲間としては好ましくないです。体力や技術があったとしてもメンタルが弱く、モチベーションが保てない人は、チームの中で不安要素になってしまいます。そして、もし条件が悪く登頂できなかったとしても、それも高所登山なのであり、そのことを受け入れられる人でなくてはなりません。

――当時夫であったラルフさんとは、何でも言い合える間柄、ベストなパートナーだったのでは?

 彼はすばらしいクライマーですし、今も親しい間柄です。しかし夫婦という非常に近い間柄ならではの難しさがあったかもしれません。私たちは標高8000mという厳しい環境の中でずっと行動をともにしていて、気持ちを共有していました。友達なら理解し許せることでも、夫婦だからこそ受け入れられないこともあったと思います。

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