第2回 生きている以上、リスクはいつどこにでもある
――人生2度目の8000m峰登山は1998年、ネパールと中国チベット自治区の境にそびえる標高8201mのチョー・オユー。このときは1回で登頂を成し遂げましたね。
とても寒かったですが、山頂からは見たことのない絶景が広がっていました。エベレストが間近に眺められ、幸福感で満たされたんです。すばらしい登山ができたことに興奮し、下山をしながら「次はどこの山を登ろうかしら」と考えていました(笑)。
――登頂したばかりなのに、もう次の山のことを?
ええ。チョー・オユーの山頂からは、中国チベット自治区にある、8000m峰のひとつであるシシャパンマ(8027m)も見ることができたのです。美しい山姿を見たとき、ああ、次はシシャパンマに登りたいな……と思いました。
――チョー・オユーはどのようなメンバーで登ったのですか?
親しい仲間たちと登りました。このときに限らず、それまでも、その後も、私の登山はいつも友人、親しい仲間と行っていますね。公募隊や旅行会社の主催するツアー登山で登ったことはないのです。
――仲間と登るゲルリンデさんのようなスタイルは、8000m峰登山では普通なのでしょうか。