――ゲルリンデさんが無酸素で8000m峰14座の完登を果たしたのは2011年(当時40歳)のことでしたね。ゲルリンデさんが登山を始めたきっかけを教えてください。
私はオーストリアの山あいの村で生まれ、山が間近にある環境に育ちました。初めて山を歩いたのは7歳のとき。村の神父さんが、ミサの後に山に連れていってくれたのです。それからは毎週日曜日、ミサの後に神父さんや村の人たちと山へ向かうようになったのです。私は登山靴をザックに入れてミサに行きましたし、神父さんはガウンの下に登山服を着ていました(笑)。
――そこから登山にのめり込むようになったのですね。
初めてのロッククライミングは13歳のときでした。神父さんに連れていってもらったのですが、岩に向かい、よじ登っていると、集中して他のことをすべて忘れて没頭できる感覚にすばらしさを覚えたんです。アイスクライミングやバックカントリースキーもするようになったのは、その後ですね。
――当時のゲルリンデさんには、山のどんなところが魅力だったのでしょうか。
神父さんと初めて山に登ったときから楽しくて、もっと登りたい、いろいろな山に行きたいという願望がムクムクとわいてきたんですよ。