第4回 ここがすごい!「マーズ2020」火星探査計画

 印象的には、結構、たくさん失敗があること。それでも、国家の宇宙探査のマスタープランに書き込まれており、失敗をものともせずに進んでいくような印象である。(そもそも火星に送られた探査機の、ほぼ半分は、日本の「のぞみ」も含めて、失敗している。これまで火星にランダーなり、ローバーなりの着陸に成功したことがあるのはNASAだけで、今のところ圧倒的な優位性を持っている。この原稿を書いている途中にも、欧州宇宙機関の火星ランダーが火星への着陸に失敗した)。

小野雅裕さんは宇宙生物学にも興味があるという。
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 小野さんが言う「2度目のちゃぶ台返し」は、こういった一連の探査の中で、徐々に明らかになってきた。今や、火星にかつて海があり、今も季節ごとに水が流れる場所があったり、地下に氷があったり、ということは疑う余地のない「事実」だ。それゆえ、「火星の生命」探しはますます本格的になっている。

 マーズ2020は、そんな流れの中で、ますます「生命」の探査に関心をシフトする計画だ。

「ローバーの見てくれは、キュリオシティと似たものになります。JPLがNASA本部に売り込むときに、キュリオシティとほぼ同じものを使って予算を節約しますっていうふうに言ったので。ただ、ハードウェアで違うのも何点かありますね。1つは、キュリオシティはタイヤに穴があいて困ったので、タイヤは再設計したとか。あとは望遠レンズがついていて、もっと遠くを見るとか。実現するかわからないですけど、ドローンを載せようって話も出ていました」

ドローンが使えたらいいなあ!
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 ドローンが使えたらいいなあ! とぼくも思う。

 実際、この数年のドローンの進歩は、ぼくたちが見る「景観」(文字通りの意味で)をかなり変えた。飛行機やヘリコプターのような大きなものを飛ばさなくても、気軽に鳥瞰図が得られるのだから、火星ローバーとしても、より精度の高いナビゲーションに活用できるだろう。そして、火星から送られてくる画像も、これまで見たことがないものになるだろう。当然ながら、最大の関心事のひとつである「水流の痕跡」なども、よりよい解像度で得られるだろう。

 一方、ソフトウェアの違いもかなりある。