第2回 米〈医療大麻〉28州で合法に、 推進派医師の言い分は

『カンナビノイドの科学』(佐藤均監修・築地書館)によると、マリファナには、全部で104種類の生理活性物質が存在する(これらを総称してカンナビノイドと呼ぶ)。104種の中で、主成分でありもっとも有名なのがTHC(テトラヒドロカンナビノール)で精神活性作用がある。マリファナを吸うと、リラックスしたり多幸感を抱くのはこのためだ。カンナビノイドの成分では他に、CBD(カンナビジオール)の効能が近年特に注目されているが、こちらに精神活性作用はない。

 さらに、1990年代以降の研究で、①人間が体内でカンナビノイドを作っていること、②体内にカンナビノイド受容体を持っていること、③カンナビノイドが脳内の伝達の一部を担っていることも解明された。

「体内のカンナビノイドは、免疫、睡眠、食欲、代謝、精神状態、胃腸機能に深く関わっていると考えられます。逆に言えば、カンナビノイドが欠乏するとさまざまな症状が現れてしまう。ならば、その欠乏状態に、カンナビスのカンナビノイドを補給して治療、調整しましょうというのが、私のようなカンナビス推進派の考え方です。THCは痛みの緩和や痙攣、吐き気の抑制、不眠症に、CBDはてんかん、痙攣、炎症の緩和抑制や、免疫の調整、精神バランスに薬効があると見られます。私の診療所では、特に小児てんかんの改善が顕著ですね」

そして、カリフォルニア州では嗜好品としても認められることに。
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 カリフォルニア州には、〈医療用マリファナ〉を巡る長い闘争の歴史がある。合法化の発端は1980年代初頭、エイズの流行だった。激痛や食欲不振といった症状や、化学薬品の副作用に苦しむエイズ患者たちが、マリファナが症状を緩和することを発見し服用。だが、当時マリファナの使用は違法行為だったため検挙者が続出した。これに対し、エイズ患者の多いサンフランシスコを中心に〈医療用マリファナ〉を求めた市民運動が起こる。10年にわたる闘争を経て、1991年、サンフランシスコ市議会が「医療用マリファナ特別条例」を可決。その5年後、今度は州が「医療用マリファナ法」を制定した。

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