そして、北上すればするほど、鮭釣り漁船と化してきた私たちの船は、カナダB.C.州最北端の都市、プリンス・ルパートに入港した。
 この港には、北米各所から、漁船が集結していて混雑していた。
 荷下ろしされる魚や蟹の量と、大きさが半端ではない。
 その海の恵みの圧倒されるほどの豊富さに、この北米西海岸の自然が更に、雄大なものへと変わって来ていることを、私は実感したのだった。

 そして、私たちはその後――、
 この先の海上の国境を越え、アラスカの海へと船を進めていった。
 あっちでも、こっちでも、大きな水しぶきをあげて大ジャンプを見せているザトウクジラの生息地を通り、伝統を豊かに残すアラスカ側インディアンの村を訪ね歩き、そして……、
 まるで、宝石の中にいるような、真っ青な氷河の元へと、帆を進めていったのである。

 セーラー犬、ルカと私の航海記は、このカナダ側の航海をもって終わりと致します。
 いつか機会があれば、更にスケールが広がるアラスカ側の話で、お会いしましょう。
 今まで読んでくださった読者の皆さんに、本当に感謝申し上げます。 
 今回、船旅の取材に協力をしてくださったウィンドバレー・セーリング・スクール、ISPA‐ジャパン、カナダ政府観光局に、深く感謝申し上げます。
 もし、この海域を旅したいとお考えならば、インサイドパッセージを航行するフェリーやクルーズシップでの旅や、現地ツアーが主催するネイチャーガイドなどを利用することをお勧めします。
 雄大な景色と共に、様々な海洋生物たちと出会える素晴らしい旅になること、間違いないでしょう。
 みなさんも、良い旅を!

廣川まさき

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おわり

廣川まさき(ひろかわ まさき)

ノンフィクションライター。1972年富山県生まれ。岐阜女子大学卒。2003年、アラスカ・ユーコン川約1500キロを単独カヌーで下り、その旅を記録した著書『ウーマンアローン』で2004年第2回開高健ノンフィクション賞を受賞。近著は『私の名はナルヴァルック』(集英社)。Webナショジオでは「今日も牧場にすったもんだの風が吹く」(電子書籍化)「アイスブルーの瞳」を連載した。
公式サイトhttp://web-hirokawamasaki.wixsite.com/webmasaki

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