第4回 その国のリアルな姿を追い求めて

――丸山さんの話に戻りますが、海外の危険地帯のどこに魅力を感じて、どんな場所を取材されることが多いのですか?

 僕は、自分が危険地帯に行っているとは思っていません。テレビ番組ではテロップで「危険地帯」と出ることはありますが、映像のなかで「ここが危険地帯です」なんて言ったことは一度もないんです。僕の行くところはどこも、パスポートがあれば行けるところですからね。戦場へ行くわけでもないですし。

 先にもお話しましたが、ライター業を始めてからは裏社会や危険地帯というジャンルの取材が多く、そういう情報を手に入れるためには、スラム街が取材対象になることが多いんです。

 例えば、オフィス街の東京の丸の内で「誰か犯罪者を知ってますか?」と聞いても誰も知らないというだろうけれど、それがいろいろな人が入り混じる新宿・歌舞伎町のゴールデン街だったら何かしらの情報が出てくるかもしれない。歌舞伎町はスラム街じゃないけど、雑多なスラム街で得られる情報っていうのは、観光ガイドに載っているような情報ではなく、物価や流行だったり、その国の本当の姿が、よりリアルに伝わってくるものなんですよ。

本誌2016年6月号の特集「メキシコ 悪夢から抜け出す街」は、激烈な麻薬戦争から治安回復を図ったメキシコ北部の街、シウダー・フアレスの物語。Webでの紹介記事はこちら