第3回 米国のマリファナ合法化は「ビジネスチャンス」

――まさに無秩序ですね。どうすればこんな麻薬戦争を終息させられるのでしょう。

 フアレスを中心とする北部の治安回復が、ミチョアカン州に影響したという話を先にしましたが、ある地域の治安が良くなっても、そのしわ寄せがほかに行くだけだと思います。麻薬戦争がまったくなくなるということは、残念ながら考えられません。

 現地でカルテルの関係者から冗談まじりにこう言われました。「日本がフルーツをものすごい高値で買ってくれたら、麻薬をつくるのをやめるかもしれない」と。麻薬は、利益率がものすごく高いからつくって売るわけです。現地で生産にかかわっている人は「麻薬はアメリカ人の学生がハイになるためのもの。俺たちには関係ない」という感覚。北米で消費されるマリファナやコカインなどの半分がメキシコ産だといわれますが、9割にのぼるという見方もあります。

――そのアメリカでは、マリファナの使用を合法化する州が出てきていますね。

 それが麻薬カルテルにどう影響するのかというのも興味のあるところでした。皆、悪影響はない、むしろビジネスチャンスだと思っていますね。これも麻薬生産国のジャマイカでは、入国時に許可証のようなものを発行して、観光客が自由にマリファナを使えるようにしようという動きがあるようです。

 メキシコでは、アメリカのマリファナ合法化で、麻薬カルテルが合法的に農園を取得して、マリファナをつくれるようになるという人もいます。合法化が広がれば、これまでの生産ノウハウと販路を持っている者が強いというわけです。

丸山さんがヌエバ・イタリアを取材中に銃の不法所持の容疑で自警団のメンバーが逮捕された。その当日、検察のオフィス周辺には軍隊が出動していた。自警団やカルテルの襲撃を警戒しての対応だという
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