第1回 新宿歌舞伎町から始まった裏社会取材

 メキシコの麻薬ビジネスは桁外れにでかくて、日本にいて聞こえてくる情報だけでは実情がよくわからない。日本人ジャーナリストで取材に行っている人もいないようだし、自分の目で見てみたい。一般市民との関係も含めて、麻薬戦争を自分なりに読み解いてみたいとは思っていました。しかし、そうは思うものの、どう取材をしていいのかがわからないという状態でした。

――本誌で取り上げられているのは、メキシコ北部のチワワ州にあるシウダー・フアレス(以下、フアレス)という国境の街。以前は世界一危険な街といわれていたのが、警察と市民の努力で治安を回復したという記事なのですが、丸山さんが潜入取材したのは、メキシコ中西部のミチョアカン州ですね。

 今年度アカデミー賞にノミネートされたドキュメンタリー映画『カルテル・ランド』の舞台になった地域で、今も麻薬戦争の激戦地です。それも、フアレスの治安回復の余波を受けて、抗争が激化している側面がありますし、フアレスの治安回復にはナショジオ本誌の記事にはない、もうひとつの理由もあるようです。

――そのところは後ほど詳しくうかがうとして、丸山さんが海外の危険地帯をテーマに書くようになったきっかけは何だったのですか?

 大学時代からアジアやアフリカを旅してはいました。いわゆるバックパッカーですね。2~3カ月ほど旅して、戻るとアルバイトをしながら大学に通い、お金ができるとまた旅に出るという感じでした。

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