第4回 博物館復興を助けたナショナル ジオグラフィック協会

 タリバンの時代を思えば、地獄から戻ってきたような感覚でした。収蔵品に意志があれば、彼らもそう思ったことでしょう。

 収蔵品のデータベース化は、シカゴのオリエンタル博物館の協力で95%が完了しています。まもなくこれが完成して公開されれば、世界中で博物館のコレクションを研究することができます。それでようやくアフガニスタン博物館は、一応の復興を遂げたといえるでしょう。

 すでに館長としての役職は退きましたが、私自身の人生で最も重大な責務を果たせたという思いがあります。ともに戦乱から貴重な文化財を救った博物館員らも皆、その行動を誇りとして胸に抱いているでしょう。

(おわり)

特別展 黄金のアフガニスタン
-守りぬかれたシルクロードの秘宝-

http://www.gold-afghan.jp/

■会期:2016年4月12日(火)~6月19日(日)
■開館時間:午前9時30分~午後5時(土・日・祝休日は午後6時まで、金曜日は午後8時まで)※入館は閉館の30分前まで
■休館日:月曜日 ※ただし、5月2日は開館
■会場:東京国立博物館 表慶館(上野公園) 
http://www.tnm.jp/

オマラ・ハーン・マスーディ

1948年アフガニスタンに生まれる。アフガニスタン紛争が始まった1979年よりアフガニスタン国立博物館に勤務。紛争中は、同博物館の収蔵品を秘密裏に移送し保管するなど、アフガニスタン紛争下での文化財保護に主導的な役割を果たした。2001年から2015年まで同博物館館長を務め、収蔵品の略奪や博物館建屋の破壊等、紛争中に甚大な被害を受けた同博物館の復興に尽力した。アフガニスタンの文化財保護に尽力したこれらの功績は国際的にも高く評価されており、2004年プリンス・クラウス賞(オランダ)、2013年ニューヨーク大学名誉博士号(アメリカ)、2014年「アジアのノーベル賞」と称されている第56回ラモン・マグサイサイ賞(フィリピン)を受賞。


高橋盛男(たかはし もりお)

1957年、新潟県生まれ。フリーランスライター。自動車専門誌の編集を手がけたのちフリーライターに。JR東日本新幹線車内誌「トランヴェール」、プレジデント社「プレジデント」「プレジデントファミリー」などに執筆。