第3回 秘密を死守した館員たちの使命とは

 現に、タリバン政権がカブールを制圧する前の1994年に、私たちが一時的に復職した時期がありました。そのときも取り組んだのは、博物館に残された収蔵品を調べて詳細な記録をつくり、他の場所に移送する作業です。カブールホテルに移送された一部の収蔵品は、これによりタリバンの略奪と破壊から守られました。

――内戦が終息し、2002年にマスーディさんは館長に就任。長く閉じられていた地下金庫の鍵を開けます。どんな気持ちでしたか。

 その日を心待ちにしていましたからね。
 館長に就任した年、金庫が破られていないことは確認しました。金庫を開けたのは2004年ですが、隠した文化財はそれ以前に1度だけ、限定的に公開されたことがあるんですよ。1991年6月、ナジブラ政権のときです。

 貴重な古代アフガニスタンの文化財が、博物館から忽然と消えたのですから、さまざまな憶測が流れました。とくに「バクトリアの至宝」については、ソ連軍が撤退時に持ち出したのではないかと、国際的な非難がソ連に集中しました。

秘宝が金庫から出された瞬間。2004年 ©Kenneth Garrett
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