第2回 文明の十字路、バクトリアの至宝

マカラの上に立つ女性像。1世紀 / べグラム出土 / 象牙。アフガニスタン国立博物館蔵 ©NMA / Thierry Ollivier
[画像のクリックで拡大表示]
――まさに「文明の十字路」ですね。

 ですから今回の展示品も、時代を追っていくと、アフガニスタンを接点とした東西文化の行き来が見てとれます。

 たとえば、紀元前4世紀にアレクサンドロス大王がこの地域を支配しますが、その時代のアイ・ハヌム遺跡の出土品には、古代ギリシア文明の影響が色濃く表れています。

 また、ティリヤ・テペ以後、1~3世紀のベグラム遺跡。この地は北インドを支配したクシャーナ朝の夏の都でしたが、インドの女神像とともに、ローマやエジプトなど地中海地域のガラスや青銅・石膏製品が出土しています。

――今回、日本で保管されていた流出文化財も展示されますが、これには日本画家の平山郁夫氏が深くかかわっていると聞きました。

 平山画伯には一度お会いしたことがありますが、私が尊敬する人物の一人です。
 アフガニスタンで略奪された文化財の多くは、国外に持ち出され、古美術品市場で売買されました。そのうちの一部には、日本人が所有するものもありました。

脚付彩絵杯。1世紀 / べグラム出土 / ガラス。アフガニスタン国立博物館蔵 ©NMA / Thierry Ollivier
[画像のクリックで拡大表示]
青年上半身メダイヨン。1世紀 / ベグラム出土 / 石膏。アフガニスタン国立博物館蔵 ©NMA / Thierry Ollivier
[画像のクリックで拡大表示]