第2回 文明の十字路、バクトリアの至宝

――今回の特別展「黄金のアフガニスタン」。副題に「守りぬかれたシルクロードの秘宝」とあります。展示品はどのようなものですか。

 年代でいえば、紀元前2100年ごろから3世紀ごろまでの工芸品で、アフガニスタン各地の遺跡から出土したものです。加えて、内戦時代に国外に流出した文化財のうち、日本で回収され、保管されていたものの一部も展示されます。

 展示の中心になっているのは、アフガニスタン北部のティリヤ・テぺ遺跡の出土品で「バクトリアの至宝」と呼ばれる黄金の宝飾品類です。それらは紀元前1世紀から1世紀ごろのものと推定されています。

 ティリヤ・テペの遺跡は、1978年にソ連とアフガニスタンの合同調査団が発見しました。遺跡は、おそらくは有力な遊牧民のものと思われる6基の墓で、女性5人と男性1人が埋葬されていました。「バクトリアの至宝」は、それらの墓に副葬品として納められていたものです。

 黄金の冠や鎖、女神アフロディーテの飾板、トルコ石やガーネットをちりばめた金の襟飾、ドラゴンを従えた男性像のペンダントなど、いずれも埋葬された人たちの愛用品だと思われますが、精緻で優れた意匠の宝飾品です。

アフロディーテ飾板。1世紀 / ティリヤ・テペ出土 / 金・トルコ石。アフガニスタン国立博物館蔵 ©NMA / Thierry Ollivier
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襟飾。1世紀 / ティリヤ・テペ出土 / 金・トルコ石・ガーネット・パイライト。アフガニスタン国立博物館蔵 ©NMA / Thierry Ollivier
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