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 カブールの治安が悪化したのは、1989年にソ連軍が撤退したあとです。アフガニスタン紛争が始まり、内戦状態になりました。

――このたび日本で公開される「黄金のアフガニスタン」の展示品はその年、1989年に博物館員が隠したものですね。

 アフガニスタンでは部族間の対立が激化しており、ひとたび紛争、暴動が起これば、博物館は間違いなく襲撃されるだろうと思われました。

 私たち館員は当時の館長の指示を受けて、収蔵品のなかでも歴史的に貴重な工芸品を選び、安全な場所に移すことにしました。大統領府に中央銀行があるのですが、その地下の金庫に運び込んだのです。

 このことは館員と、文化財保護を担当する情報文化省の一部の職員以外には知らされませんでした。

――内戦状態に陥ったのち、博物館はどうなったのですか。

 大変な被害をこうむりました。
 ソ連軍の撤退後のムジャヒディーン政権下で、博物館は軍事拠点のひとつとして使われました。1993年にロケット弾の砲撃を受けて炎上しましたが、1989年からこの年までに4万点におよぶコレクションが盗み出されていたことがわかっています。

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