ドライバーが言っていた通り、ほぼ2時間で今回のキャンプ地に着いた。ここはコンギル・ツァブという恐竜化石産地だ。広大な壁が広がり、いかにも化石が出そうな場所だ。

どこにテントを張るか

 暗くなる前にテントを張る。どこにテントを張るかに、結構性格が出るのだ。私は独自の基準をいくつかもっていて、それを満たすところを探す。

 まず一つ目の基準は、メインテントから離れていること。メインテントには電灯や冷蔵庫を設置するため、近くに発電機がある。それがかなりうるさいのだ。ぜいたくなことかもしれないが、自然の中に来たら、その自然を存分に楽しみたい。静けさの中で、テントから見える砂漠や夕日を眺めながら1日を振り返るのが、調査時の私の楽しみの一つだ。

 二つ目は、崖の中腹であること。これは人によって意見が分かれるが、私は崖の中腹でテントが張れそうなところを探す。理由は、風、雷、洪水を避けるためだ。

 崖の上下には平らなところがあり、テントは張りやすい。しかし、崖の上には何も遮るものがない。ゴビ砂漠は風が強い。いったん風が吹きはじめるとテントはあおられ、バタバタとまるで高架下にいるような騒音を立てる。しまいには、中で寝ている私の顔にテントの壁が押しつぶされてくる。この状態で普通なら寝られるはずがないが、調査の疲れで何よりも寝るのが優先になっていると、つぶれてきたテントを腕を伸ばしてしっかりと支えた状態で、寝つづけることになる。

 そして、雷はかなり怖い。夜中に雷が鳴りはじめると、地響きが体に伝わってくる。いつ落ちるかわからない状況で怖くないはずがないが、何もできることはない。そのような状況下で私がすることといえば・・・寝ることだ。
 風と雷、どちらにしても寝るのだが、できればこうした危険に直接さらされる状況は避けたい。

キャンプ地で雷が落ちている様子。
キャンプ地で雷が落ちている様子。
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 では、崖の下の平原ならどうだろう。確かに、風と雷の危険は小さい。しかし大雨が降ると、砂漠は様子が一変する。そこらじゅうに川ができ、洪水のようになる。実際、砂漠で経験のない学生がテントを張った場所は、大雨が降り、川のど真ん中になってしまったことがある。

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