ジェンツーペンギン(右)とヒゲペンギン(左)はなぜかよく一緒にいる。
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 ところが人間というのはおかしなもので、しばらく海岸を歩いてミナミゾウアザラシを見慣れてくると、なんだか彼らがかわいく見えてくる。と言っても、あくまで“ブサカワ”の部類だが。

 Sealer Hillに向かう海岸線で出会ったのはそれだけではなかった。海からはジェンツーペンギンやヒゲペンギンがどんどん上がってきた。海に入って行ったり、浜辺で休憩していたり、何食わぬ顔でミナミゾウアザラシの横を歩いていたり、ペンギン達はとにかくどこにでもいた。水族館で見たことはあったが、野生のジェンツーペンギンとヒゲペンギンに出会うのは今回が初めてだった私は、いちいち足を止めて見入ってしまうのだった。

 大きな鳥が大群で座っているのにも出くわした。オオフルマカモメだ。“しらせ”で南極へ向かう時に海でよく見る鳥だが、こんなにも大群で、こうやって陸地にいるのを見たのは初めて。近づくと逃げようとするのだが、身体が大きいせいかすぐには飛び立てず、みな陸上を急スピードで走って逃げる。その様がなんだか可笑しかった。

岩場で子育て中のオオフルマカモメはちょっと悪役顔。
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 ふと右手を見ると、鮮やかな緑色が一面に広がっていた。コケのカーペットだ!! 喜んで近づいてみると、それはコケではなく、ナンキョクコメススキの緑のカーペット。もちろんコケも混じってはいるのだが、とにかくそこは一面ナンキョクコメススキが群生しているエリアだったのだ。まるで芝生の公園がどこまでも広がるような景色。

「うわあっ!こんなにも生えてるなんて!!」

ナンキョクコメススキの緑のカーペットはまるで芝生のよう。
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