第9回 今度は、南極まで2時間ほぼ貸し切り

海に面したプンタアレナスの街並み。
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 2015年1月8日、私は南米チリの南端にある町、プンタアレナスにいた。今シーズン2度目の南極へ向かうためだ。目的地は南極半島の先端に浮かぶ島々、サウスシェトランド諸島のなかのリビングストン島。ここプンタアレナスからは、同じサウスシェトランド諸島のキングジョージ島を経由して現地へ向かう予定になっている。

 今回は日本から、私の博士課程時代の実質的な指導教員だった工藤栄さん(南極観測隊の越冬隊長を務めたこともあるバリバリの52歳男性)とともに2人での参加。南極の湖の調査をするに当たって最もやりやすく効率的に進められる最高のコンビである。ベスト・オブ・南極湖沼調査チームと言っても過言ではない。

時差ボケのプンタアレナス

 日本から44時間かけ、昨晩プンタアレナスに到着したものの、時差ボケで2時間くらいしか眠れずそのまま朝を迎えた。キングジョージ島へはDAPという一般企業が運航している飛行機を使うことになっていた。朝から町の中心部にあるDAPのオフィスへ出向くと、南極の天候次第だが、天候がよければ明朝3時に出発するとのこと。

 “朝3時”という言葉に少し驚いたが、2カ月前に南アフリカのケープタウンで南極ノボラザレフスカヤ基地行きの飛行機の出発決定をジリジリとホテルで待機し続けたことを頭に浮かべながら、そんなに予定通り飛ばないだろうなと思った。とにかく、19時ころにどうするかを電話で教えてくれるということだった。

 プンタアレナスの市街地はとても小さく、半日もあれば十分歩いて回ることができる。明日飛ばなかったら時間をもてあましそうだな、などと考えていると、19時過ぎ、約束通りに私の携帯が鳴った。