第36回 添い寝の功罪

 日本では「川の字になって寝る」という表現がある。

 よく知られているように、小さな子どもを真ん中に挟んで親子3人仲むつまじく眠るさまを漢字で表したものだ。

 寝相の悪い子どもが2人いた筆者にとっては、その当時は「川」というよりは「少」、時には「爪」、酷いときは「升」といった漢字、いや感じで、妻が出張で不在の時など息苦しくて目を覚ますと「干」になって窒息しそうになっていた時もある。

 とはいえ、眠りを邪魔されるのは子どもの側も同じである。トドのように寝床で子どもを押しつぶすと言うことではない。アジアに多い添い寝の習慣が子どもの睡眠不足を助長しているのではないかというお話である。

(イラスト:三島由美子)
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 後でも紹介するが、日本を筆頭にアジア圏の多くの国々の子どもは睡眠時間が短いことが知られている。その理由は各年代で異なるが、乳幼児の睡眠時間が短いのは子ども用寝室で早めに寝かしつける習慣がないからだと指摘する研究者がいる。今回のテーマである添い寝の習慣がある国ではどうしても「もう少し後に一緒に」とか「ママが寝るまで起きていたがる」などといったことも起こりがちだ。

 添い寝は親子のスキンシップ、反対論があるのは解せないとお思いの方も多いと思う。私も反対論でよく持ち出される「子どもの自立を妨げる」という主張には、「そこまで大げさな問題か」と反発する気持ちが無いわけではない。

 ただ、私自身も日本の乳幼児の睡眠時間調査を行う機会があり、その結果を見て諸外国との違いを目の当たりとしたときには「このままではマズイな」と考えを改めた。政府が打ち出した「一億総活躍なんとか」はともかく、共働き家庭が増加する中で、親世代と子世代はそれぞれの年代にあった睡眠習慣を確保できるように添い寝は避けた方が良いのではないかと。

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