日中の眠気や注意力、作業能率、脳波の周波数などの脳機能にもレム睡眠に似たウルトラディアンリズムが認められる。例えば、外部からの刺激を統制した環境下で、脳波活動を10分おき20分おきなど細かく分析すると眠気の指標であるθ波の活動がまるで日中にもレム睡眠が持続しているかのように約90分で高まることが明らかになっている。

 レム睡眠の発見者でもあるシカゴ大学のクライトマン教授(当時)がこのような覚醒中のウルトラディアンリズムの存在を最初に提唱し、基礎的休止-活動リズム(Basic Rest-Activity Rhythm)と名付けた。その後の研究で、90分周期のほかに、その約2倍の3〜4時間周期のウルトラディアンリズムの存在も確認されている。

90~120分ごとに休憩をとる人が多いという研究報告も。(イラスト:三島由美子)
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 覚醒度は仕事の退屈さ、ストレス、睡眠不足、騒音などさまざまな環境条件の影響を受けるため、眠気のウルトラディアンリズムを普段の生活で自覚することは少ない。とはいえ、人の行動にウルトラディアンリズムが影響している可能性を思わせる興味深い研究もある。喫煙者に単調な作業を長時間行わせ、その間に自由に休憩を取らせると90分〜120分の間隔で「一服つけに」休憩を取ることが多いという研究報告もある。詳細なメカニズムは不明だが、ウルトラディアンリズムによって周期的に強まる眠気や集中力低下を飛ばすためにニコチンを摂取していると考えても不自然ではないだろう。

 サーカディアンリズムの発現メカニズムについては過去30年間に爆発的に研究が進み、その基盤をなす時計遺伝子の発見に対して昨年度のノーベル生理学・医学賞が与えられた(第83回「睡眠科学でも超重要! 時計遺伝子の発見にノーベル賞」)。一方、ウルトラディアンリズムについてはこれまで全く不明であったのだが、ごく最近、北海道大学の研究グループがそのメカニズムの一端を解明したと発表した。

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