第97回 日中も90分ごとに眠くなるワケ

 睡眠中にレム睡眠とノンレム睡眠が交代しながら出現することはよく知られている。まず睡眠の前半では深いノンレム睡眠(徐波睡眠)が多く、睡眠後半になるにしたがって徐々に浅いノンレム睡眠が主体になる。ノンレム睡眠に代わって睡眠後半に幅をきかせてくるのはレム睡眠である。明け方になるに従ってその持続時間が長くなり、レム睡眠中に見る夢も鮮明でストーリー性のある内容になる。

健康な成人の典型的な睡眠の経過図。この例では0時に就床(消灯)して8時過ぎに起床している。レム睡眠の平均90分周期のような、24時間よりも短い周期をウルトラディアンリズムという。(画像提供:三島和夫)
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 レム睡眠は一日の視点から俯瞰すると明け方から午前中にかけて出現しやすく、夕方過ぎから宵の口にかけて出現しにくいという約24時間周期の概日リズム(サーカディアンリズム)性をもっている。休日の朝に二度寝をすると心地よい夢を見ることが多く、逆に晩酌後の居眠りではあまり夢を見ないのはこのようなレム睡眠のリズム性による。

 ただし、もう少しミクロな視点で見るとレム睡眠は入眠後に平均90分周期で出現し、通常一晩に4、5回のレム睡眠が見られるというより短い周期のリズム性も併せ持っている。このような24時間よりも短い周期(一般的には数十分〜数時間)をもつ生体リズムをウルトラディアンリズムと呼ぶ。

 レム睡眠に限らず、性ホルモンや心拍をはじめ多くの内分泌機能や自律神経活動にウルトラディアンリズムが認められる。ウルトラディアンリズムは、温湿度をコントロールし、食事を取らず、安静にしていても認められるので、体内(おそらく脳内に)そのジェネレーターがあると考えられてきたが、これまでその発現メカニズムは不明であった。最近、この疑問の解明に近づく研究成果が発表されたのだが、その前にウルトラディアンリズムについてもう少し詳しく解説しよう。

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