第118回 睡眠不足は立派な「病気」です!

(イラスト:三島由美子)
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 収入や資産、学歴や会社、人脈、武勇伝、ファッションや容姿・・・自慢のネタはあまたある中でも、“寝不足”は日本人お得意の自慢話の一つだ。

「医学的には睡眠不足は病気なので自慢になりませんよ」と話すと「病気?」ときょとんとする人が多い。病気自慢というジャンルもあるので話しがややこしいのだが、「寝ずにバリバリ仕事をしているんだから病気のわけがないだろう」「自分の意志で行っていることなのだから、期せずしてかかる病気とは違う」など反論が多く聞かれる。

 病気と言えば、糖尿病や高血圧、認知症、がん、感染症などが頭に思い浮かぶ方が多いだろう。これらの病気と睡眠不足に違いがあるか、と言われれば、大した違いはない。

 病気の定義は実は意外に難しいのだが、一般的には「心身の正常な状態が損なわれて、不調が生じた状態」とされる。睡眠不足を考えてみれば、その人の必要とする睡眠時間が不足し、その結果、眠気や倦怠感、消化器症状、頭痛、パフォーマンスの低下などさまざまな問題が生じているのだから、病気として何ら矛盾はない。

「いやいや、一晩グッスリ眠れば体調が回復するのだから、がんや生活習慣病とは違うだろう」。このように反論する人もいるが、2つの点で誤っている。

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