第106回 夜勤の発がん性リスクは個人の問題? 危険な除草剤と同レベル

(イラスト:三島由美子)
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 私が医学部を卒業して研修医になったのは1987年、今から30年以上も前のことである。その当時は「働き方改革」などというありがたい話も無く、新入医局員は月の1/3から半分も当直に入らねばならないなど、かなり過酷な労働環境に置かれていた。特に年末年始がひどい。多くの病院が休日体制に入る12月28日の夜から始まり、年明けの1月4日の朝までまるまる1週間続けて当直をしながら数カ所の病院を渡り歩いたのを覚えている。

 年末年始の当直業務も大変だったのだが、食事の楽しみが無いのが若い身にはとても辛かった。当直医には患者さんと同じ病院食が出るが(加えてデザートなど1品程度おまけがつく)、3食すべて病院食で年を越すのはあまりにも侘しい。それに量が足りない。「病院近くのコンビニでも買い出しに行けばいいのに」という声が聞こえてきそうだが、その当時はコンビニなるものがほとんど無かった。当然ながら、24時間営業のスーパーや飲食店もなく、要するに深夜に食事にありつく術がなかったのである。

 私が働いていた秋田市にコンビニが初めて登場したのは1990年頃からで、夜勤者が大量に詰めている大学病院前にできたコンビニが大盛況となったのは当然である。その後、各種フランチャイズのコンビニ、24時間営業のスーパー、牛丼やハンバーガーなどの外食店が雨後の筍(たけのこ)のごとく登場し、当直医の食環境は見違えるほど改善した(労働環境は相変わらずだが)。

 前置きが長くなったが、夜勤者が夜勤者に支えられる構図に私自身もどっぷりと浸かっていたことをお示ししたかった。医療、電力やガス、公共交通機関などの社会インフラの維持だけではなく、生活の利便性を高めるために深夜サービスを提供するようになり、夜勤者は増加の一途をたどっている。

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