第55回 妊活するなら脱「週末の夜更かしと朝寝坊」

 少子化が叫ばれて久しい。日本の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の平均数)はやや持ち直す傾向にあるというが、人口減に歯止めがかかる水準には遠く及ばないようだ。ちょうど先日も総務省から日本人の人口減少の発表があった。住民基本台帳に基づく人口動態調査の結果、日本人の人口は前年より27万人以上減り、過去最大の減少幅であったという。

 出生数が伸び悩んでいる原因としては、若い世代の所得の伸び悩みや人生観の変化、妊娠・出産後の女性のキャリア形成が難しいことなどさまざま挙げられているが、一方で、子供がほしくても授からないカップルも多い。明確な原因がわからないケースも不妊の約1割を占めるという。妊娠しやすいコンディション作りやライフスタイルを心がけるいわゆる妊活も流行語になった。

 妊活にもいろいろとあるようだが、基礎体温を利用して自分の性周期を把握することから始まり、バランスの良い食生活、適度な運動習慣、ストレス解消とならんで、規則正しい生活リズムを心がけましょうというのが、どの妊活情報サイトでも共通したアドバイスである。

(イラスト:三島由美子)
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 それぞれに医学的根拠はありそうだが、本コラムでもしばしば取り上げている「規則正しい生活リズム」が妊娠にとても大事であることを大阪大学の研究グループが明らかにしている。この研究報告を初めて読んだときには結果の鮮やかさ、意味することの深刻さに衝撃を受けた。

 実は、その研究論文の研究チームのリーダー、筆頭執筆者はともに私の米国留学時代の同僚で(ご夫婦です)、いつかその研究成果の紹介をしたいと思っていたが、ちょうど大幅な人口減少が話題になったこともあり、今回のテーマに取り上げた次第である。

 本題に入る前に、皆さんは「社会的ジェットラグ」という医学用語をご存じだろうか。

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