第29回 “青木まりこ現象”からみた不眠の考察

 もっともらしいのが条件反射説。条件反射はパブロフの犬で有名なのでご存じの方も多いだろう。エサを見るとよだれが出るという反応は学習せずとも生まれつき持っている無条件反射、それに対して毎日エサを運んでくれる飼育員の足音を聞いただけでよだれが出てくるようになるのが学習による条件反射である。

 書便派の条件反射説とは、簡単に言えば「いつも家のトイレで本を読むから本屋でも出そうになる」のだと。『なるほどなぁー、そのようなケースもあるかもね』と思わず説得されそうになったが、私の頭の中には1つの疑念がわき上がったのだった。『ヘビーな本好きはそのようなステージで留まることはない!』と。

 私の自宅のトイレには芳香剤と並んで書籍が山積みであり、ブックラックまで持ち込んで家族にはイヤーな顔をされている。でもトイレで姿勢を正して読書をするのが楽しみなんだもん。しかし私は書便派ではない。いや、かつては書便派であったかもしれないが、今や「便便派」になり果ててしまったのだ。

 ちなみに、便便派とは「便所で便秘派」の略である(Wikipediaには載っていません)。便便派を医学的に表現すれば、「一時は読書で条件付けられた便所での排便反射を獲得したものの(←書便派はココ)、何らかの原因でその効果が減弱し、便所という空間で便が出ないままに読書を続けるという体験を繰り返すあまり、ついには便所に入ると便が引っ込むという新たな条件反射を獲得してしまった一群」かな。

 解説をしたいのだが、このままでは今回は「ウン〇」の話で終わってしまうので、排便を睡眠、便所を寝室、と読み替えてご説明したい。

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