第94回 睡眠不足は熱中症の大敵、昼寝も味方せず

 連日猛暑が続いている。テレビや雑誌では暑さ対策の記事が目白押しだが、とりわけ熱中症対策は毎夏定番の話題である。それも当然で、共同通信によるとこの海の日三連休の間だけでも熱中症とみられる症状で5000人以上が救急搬送され、搬送当日に10名以上が亡くなったという。

 厚生労働省のデータによると、熱中症による死者は2016年が621人、2015年が968人、2014年が529人など年によって変動はあるが毎年多くの人命が失われている。なかでも、2010年には史上最多の1731人が熱中症で亡くなっている。皆さんご記憶だろうか。2010年の夏は日本全土を猛暑が襲い、「観測史上最も暑い夏」「(同年8月は)観測史上最も暑い1カ月」などと呼ばれ、今でも語り草になっている。今年はこの2010年に匹敵するような猛暑が危惧されると気象予報士が話しているのを聞いてヒヤリとした。

(イラスト:三島由美子)
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 夏になると増えるもう一つの定番記事は寝苦しい夜の快眠法である。雑誌やネットでは寝具、室温や除湿法、入浴法、ひんやりグッズ、夏野菜の活用などあの手この手を紹介している。グッスリ眠って夏バテを解消したい読者に向けた格好のネタなのだろう。

 最近の猛暑関連の記事の中で目にとまったのは「睡眠不足が熱中症のリスクになる」という話題である。一般の人にとっては当たり前に見える記事だろうが、睡眠不足と熱中症に関連があるという論文や専門書を読んだ記憶が無かったからである。さっそく調べてみると数は少ないがこの方面の研究成果が幾つかあることが分かった。

 その内容を紹介する前に「熱中症」について簡単に解説しておく。

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