第104回 つらい月曜日の朝、深刻になる人とそうでない人の差は

 このわずか40分程度(より長い、もしくは短い人もいるだろう)の個人差が、私たちの寝つきやすさ、目覚めやすさに大いに関わっていることが明らかになっている。周期が長いほど夜型傾向が強く、社会的制約がなければ寝つける時刻と目覚める時刻は自然に遅くなる。遅れるのは睡眠時間帯だけではない。体温やホルモン分泌など睡眠や覚醒を支える生体機能リズムも全体として遅くなる(位相後退する)。

 例えば、睡眠に深く関係する脳の温度は、夕方過ぎに最高になった後に急激に下降し、明け方に最低になった後に再び上昇に転じる。朝型の人の場合、脳温リズムのタイミングが早いため起床する頃には十分に脳も温まっており、覚醒を促す副腎皮質ホルモンもすでに分泌のピークを迎えている。そのおかげでとても目覚めやすい。ところが、夜型の人の場合には生体リズムの位相後退により、例えば朝7時の段階でも脳温がまだ下降中のことすらある。これではスッキリとした目覚めは全く期待できない。目覚ましに気付かず遅刻をしてしまうのもうなずける。

 それにしても、「ブルーマンデー」の名前の通り、1週間の中でとりわけ月曜日に起床が難しくなるのはナゼなのだろうか。それは週末の寝だめに原因がある。夜型でなくても、週末のわずか2日間の寝だめによって生体リズムがおおむね30~45分も位相後退することが複数の研究で明らかにされている。そして特に夜型では位相後退がより顕著で、体内時計が一気に1時間以上遅れることもしばしばなのだ。

 休日の寝だめが生体リズムの大幅な位相後退を引き起こすのは、体内時計の時刻を進める(朝型にする)午前中に明るい光に触れる機会が少なくなる一方で、夜更かしによって体内時計の時刻を遅らせる(夜型にする)夕刻から深夜にかけての光、とりわけ体内時計に作用しやすいブルーライト成分を含んだ人工照明を浴びるためである。光が体内時計の時刻を調整をするメカニズムについては第26回「朝型勤務補講:夜型生活から脱却する効果的な方法」で詳しく解説したのでご参照いただきたい。

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