(イラスト:三島由美子)
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 朝型・夜型(クロノタイプ、日周指向性とも呼ばれる)と健康との関係についてこれまで数多くの研究が行われてきたが、総じて夜型に分が悪い結果となっている。例えば、夜型の強い人ではBMI(肥満指標)が高く、抑うつ傾向が強く、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、心筋梗塞や脳卒中などの重大疾患にかかりやすい。その結果、なんと死亡率も高い。普段の生活でも喫煙や飲酒習慣が多いとされる。

 夜型が強い人で健康リスクが高い原因は実は科学的に解明されていない。いや、より正確に表現すれば「夜型生活」が健康リスクを高める理由はある程度分かっているのだが、「夜型体質」が悪玉であるのかは依然として不明である。「夜型生活」と「夜型体質」の違い? 混乱気味の読者が多いと思う。この両者の違いについては第25回「朝型勤務補講:朝型夜型って何?」でも解説したが、以下、簡単にまとめてみよう。

「夜型生活」とは、文字通り、夜更かし型(遅寝、遅起き)の生活のことである。調査研究を行う際には、対象者の就床時刻や起床時刻などを指標として、夜型生活者、朝型生活者などにグループ化する。このような定義による夜型生活者の中には、後述する夜型体質のために早寝早起きができない人だけではなく、飲食業などに従事しているためやむを得ず夜型生活を送っている人や、自由業など出勤時刻に縛りがなく自己選択的に夜更かし生活を送っている人まで、多種多様な生活者が含まれる。ちなみに、人の体内時計の周期(一日の長さ)は平均すると24時間よりも少し長いため、時計を気にせず自由に生活できれば多くの人は夜型生活に陥る。

 一方「夜型体質」とは、体内時計の周期が長い、体内時計の時刻合わせに必要な光に対する感受性が低いなどの体質的な理由により、好むと好まざるとにかかわらず夜型生活に陥りやすい生体機能の特性を指す。このような体質を持つ人は、必然的に睡眠をはじめとするすべての生体機能リズムが大きく遅れてしまうため、意志の力だけでは早寝早起きができない。私はこれを「真の夜型」と呼び、区別しやすいように前述した自己選択的な夜型生活者を「なんちゃって夜型」と呼んでいる。決して茶化しているわけではないので誤解無きよう。

次ページ:健康リスクに関する研究の多くは「夜型生活」に関するもの

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