トラウマになるような危機的な体験は色々なストレス反応や精神症状を引き起こす。(イラスト:三島由美子)
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 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上では、日々、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する膨大な記事が投稿されている。その中にはCOVID-19に対する恐怖、不安、自粛疲れなど、いわゆるメンタルヘルス(こころの健康)に関するものが少なくない。

 当初は新型コロナウイルスに関する啓発的な情報や感染対策の手法など前向きな話題から始まり、次いで自粛やソーシャルディスタンスによる日々の生活の不便さなどに関心が移った。ところが最近では心身の不調や将来的な不安、心配などのテーマが多く、沈鬱ムードが高まってきたのを実感する。

 実際、東京大学の研究者がそのことを示唆するデータを公開した。NHKなどの報道によると、感染が話題になり始めた今年1月から緊急事態宣言が出された4月までの3カ月間に、SNSに投稿された新型コロナウイルスに関する記事およそ1億件を分析したところ、「ストレス」や「うつ」などメンタルヘルスの悪化を示唆するキーワードが1月に比べて緊急事態宣言が出された4月には80倍以上に急増していたという。

 COVID-19に限らず、大きな災害に遭遇したとき、メンタルヘルスや睡眠の問題が出現することは数多くの調査により数値で示されている。大地震などはその典型である。例えば、2004年12月26日に発生したインドネシアのスマトラ沖地震では、大規模な津波により多くの人命が失われたほか、沿岸地域の人々の生活に長期間にわたり甚大な影響を及ぼした。

 津波発生から8週間後に、被災したタイ南部の避難民を対象に行われた調査では、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を疑わせる症状を呈した住民の割合が11.9%に達した。同地域の避難を免れた住民では7%、タイの他の地域の住民でも3%にPTSD症状が認められている。質問紙を用いた調査であるため確定診断ではないものの、日本でのPTSDの12カ月有病率(過去1年間にPTSDに罹患した人の割合)が0.5%程度であるのと比較すると、多くの住民が精神的ダメージを受けていたことが分かる。同様に、うつ病疑いが30.2%(日本での12カ月有病率3.2%)、不安障害疑いが36.9%(同2.0%)、不眠症疑いに至っては59.0%(同10%)に達していた。

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