第24回 朝型勤務がダメな理由

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 このサイトで判定されるクロノタイプは、1日のどの時間帯に目覚めやすく、パフォーマンスが高まり、疲労を感じ、そして眠りやすいか包括的に評価する指標である。体内時計の周期が長いことは夜型体質になる最大の原因であるが、そのほかにも必要睡眠時間が長いために早寝しても起床が辛い、早朝低血圧で起床後の能率が上がらないなど人によって事情はまちまちである。このような体質的な夜型の人にとって、朝型勤務は仕事のパフォーマンスを低下させる大きなリスクになる。短期的な調査では見落とされがちである。

朝型夜型チェックリストによるクロノタイプの分布(国立精神・神経医療研究センターで実施した1170名での調査結果)。夜型生活をしていると夜型になるのではなく、夜型になりやすい体質がある。(イラスト:三島由美子)
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 夜型体質の人の苦労を理解するには、下流(夜型)に向かう川に小舟を浮かべて、流されないように毎日必死にオールを漕ぐ船頭をイメージしていただきたい。朝型の人は流れが緩やか、時には流れが止まっていることもある。このような人々は朝型勤務も全く苦痛でない(体内時計の周期が24時間よりも短すぎて、アマゾン川のポロロッカのように逆流し、ひどい早寝と早朝覚醒に陥る遺伝性の睡眠障害もある)。これに対して夜型の人は激流との戦いである。流されないようにするのが精一杯。どうやって上流に行けというのか。カヤックのオリンピック選手でもいずれは疲れ果ててしまうだろう。

 朝型勤務の問題点をまとめると、1)睡眠リズムを朝型にする(前倒しする)のは体内時計のメカニズムからみてハードルが高い、2)結果的に現状でも限界に近い睡眠不足をさらに悪化させる可能性がある、3)朝型勤務に適応しにくい労働者が少なからず存在する、4)特に体質的な夜型傾向の強い人では適応しきれず心身の不調を引き起こしかねない、などが挙げられる。不眠や生活習慣病など持病のある人はさらに健康管理が難しくなるだろう。

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