勉強? スマホ?(イラスト:三島由美子)
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 子供はスヤスヤとよく眠るイメージがあるが、実は大人と同様に睡眠問題に悩まされている子供が(親が)かなり多い。日本の小学生にあたる就学児童を対象にした国内外の疫学調査でも、実に約4分の1の児童が何らかの睡眠問題を抱えていることが明らかになっている。その内訳も、夜型生活による睡眠不足や起床困難などいわゆる睡眠習慣の問題だけではなく、不眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、睡眠時驚愕症(夜驚)、夢中遊行(いわゆる夢遊病)など多種多様な睡眠障害がみられる。

 とりわけ睡眠問題が多く見られるのは「自閉症スペクトラム障害(ASD)」や「注意欠陥多動性障害(ADHD)」などの発達障害のある子供たちであり、その頻度が50%以上に跳ね上がる。これは一般児童の約2倍にあたる高頻度である。なぜ発達障害のある児童では睡眠問題が多いのか、その理由はほとんど明らかになっていない。発達障害で機能異常が疑われている神経ネットワークの一部は睡眠―覚醒の調整にも関わっている。また、抑うつや不安などの心理的ストレス、社会的コミュニケーションの不足などが、睡眠の質や量の低下、体内時計の調節不全などをもたらしているのかもしれない。しかし、これらはあくまでも推測の域を得ない。

 いずれにせよ、発達障害の子供の診療では睡眠問題に対処しなくてはならないことが多い。寝つきの悪さ(なかなか寝床に入りたがらないという症状として表れることも多い)、不規則な睡眠リズム、昼夜逆転、寝起きの悪さなどのために登校させるのに苦労しているなど、親御さんからの相談も絶えない。中でも特に手こずるのが「日中の眠気」である。

次ページ:なぜ発達障害の「日中の眠気」は頑固なのか?

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