第47回 深夜、眠りながら自覚なく食べまくる謎の病

(イラスト:三島由美子)
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 夜、いったん寝床に就いたあとにまた布団から起き出して物を食べていると家族に指摘されたが、そのことを全く憶えていないという体験をお持ちの方はいるだろうか。

 知らない間に体重が何kgも増えた、なぜか冷蔵庫の食材がなくなっているような気がする、などの体験は? 

 いずれか1つでも思い当たる節があれば「睡眠関連食行動障害(睡眠関連摂食障害)」の可能性を考えてみる価値がある。この睡眠障害と無縁の人には、何を言っているのかわけがわからないかもしれない。だが実際に、夜、眠っている間に起き出して、眠りながらがっつり食べてしまい、しかもまったく覚えていない病気があるのだ。

「寝てたら食べられないだろう」「咽(む)せるんじゃないか」などの疑問があると思うが、実際には半覚醒状態のまま器用に冷蔵庫から食材を探しだし、開封し、時には包丁で切ったりして、キレイに平らげる。中には電子レンジやミキサー、コンロを使って調理するケースすらある。とはいえ、なにせ睡眠中なので火傷をしたり、缶詰の縁で手を切ったりと危ない目に遭うこともあるので要注意だ。

 食事内容はかなりキテレツであることが多い。一般的には炭水化物や脂質などを好んで食べる。しかし、要加熱の生もの(生肉など)や冷凍食品、ペットフードなど、眉をひそめたくなる奇妙なレシピとなることも。当然ながら、起床後に胃の不快感や吐き気を訴える患者もいる。なぜ気持ちが悪いのか、本人は理由を知らないのだが。

 ちなみに、大酒飲んで気づいたらラーメン屋にいた、とか、はっと気づくと映画を見ながらポテチを1袋食べていた、とかいうケースは含まない。アルコールによる健忘(記憶障害)などではなく、あくまでも睡眠中の行動であるが故に食べたことを思い出せないのである。

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