第46回 春眠暁を覚えず、は本当か?

(イラスト:三島由美子)
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 睡眠に関する季節ネタはいろいろあるが、春先になると取材などで決まって質問されるのが「春眠暁を覚えず」のメカニズムを教えて欲しいというものだ。

 この故事は、中国唐代の詩人孟浩然(もうこうねん)の五言絶句「春暁」に由来している。

春眠(しゅんみん)暁(あかつき)を覚(おぼ)えず
処処(しょしょ)啼鳥(ていちょう)を聞(き)く
夜来(やらい)風雨(ふうう)の声(こえ)
花(はな)落(お)つること知(し)る多少(たしょう)

春の眠りは心地よくて、夜明けに気づかぬまま寝過ごしてしまった
あちらこちらから鳥のさえずりが聞こえてくる
昨夜は雨風が強かったが、
庭の花々はどれほど散ってしまっただろうか

 確かに春先は眠いな、寝心地がいいなと多くの人が同感したからこそこれほど有名になったのだろう。ただ、この句にある「暁を覚えず」が「睡眠時間が長くなる」もしくは「眠気が強くなる」を意味しているかというと必ずしもそうではないと思う。

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