第85回 一目瞭然! 通勤時間と睡眠時間を比べて分かること

 どの都道府県でも休日は平日より長く寝てるのと、平日には大きかった睡眠時間の地域差が休日にはグッと小さくなってることかな。あ、通勤時間と睡眠時間の関係も消えてる。

 そうだね。休日には都市部の人も出勤時刻を気にせず寝坊できるから、睡眠時間は当然長くなります。いわゆる寝だめだね。平日と休日の睡眠時間の間のどこかに寝不足を抱え込まずに安定して眠れる睡眠時間があるはずなんだけど、働く世代ではなかなかそのような睡眠時間が確保できないよね。

 ちなみに右側の図は、休日に平日よりどれだけ長く寝たか、その延長時間と通勤時間との関係をみたものだけど、トリ君、これも一目でその関係が分かるよね。

 通勤時間が長い人ほど休日に長く寝てるなー。関東の人は通勤で溜まった睡眠不足を取り返している感じッスね。

 うーん、取り返していると言えるかは疑問。睡眠不足を解消するのであれば休日にもっと寝てもいいくらい。この程度の寝だめで解消できるのは眠気くらいで、平日に蓄積した睡眠不足による心身への悪影響を十分には回復できないことが研究で明らかになってます(参考:第62回「眠くない寝不足「潜在的睡眠不足」の怖さ」)。

 それにしても、都市部の人は睡眠不足を溜め込んでいるはずなのに、休日の睡眠時間が秋田や青森の人よりも短いのは不思議だよね。

 休日でもディズニーランドや都心のデパートに通勤してるんじゃないでしょうか。

 あはは。でも確かに都市部では買い物や遊びに行くのにも時間がかかるから、家族サービスをしようと思えば休みの日でも早起きしなくちゃならないのかもね。

 先生の故郷、秋田県は断トツに通勤時間も短いし、睡眠時間も長くてイイっすね!

 通勤時間が短いってのは素晴らしいよ! 自慢じゃないけど、秋田の大学病院に勤務していた時代の通勤時間は3分でした。でも、冬には除雪と車に積もった雪を払うのに下手をすると20分以上かかる時もあるんだよなー。あれも通勤時間に含めるべきだよな。

 (ひそひそ)車で3分だったら歩けばいいのに……。

 (スマホで検索してさらっと)この調査は平成28年10月にやったようです。まだ、雪は降ってませんね。

 さすがヒツジ君は今年もしっかりしてるねー。

 先生も秋田に住んでいたときにはタップリ寝てたんでしょうね。通勤時間は3分だし、これだけみんなに「寝ろ、寝ろ」と説教しているんだから、当然「有言実行」してたっスよね。

 個人情報についてはお答えしかねます(笑)

 

 ということで、今年もヒツジ君、トリ君と一緒に、睡眠と健康に関する情報をお届けしますので、お付き合いのほどよろしくお願い申し上げます!

つづく

三島和夫

(イラスト:三島由美子)

三島和夫(みしま かずお)

1963年、秋田県生まれ。秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座 教授。医学博士。1987年、秋田大学医学部医学科卒業。同大助教授、米国バージニア大学時間生物学研究センター研究員、米国スタンフォード大学医学部睡眠研究センター客員准教授、国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事など各種学会の理事や評議員のほか、睡眠障害に関する厚生労働省研究班の主任研究員などを務めている。これまでに睡眠薬の臨床試験ガイドライン、同適正使用と休薬ガイドライン、睡眠障害の病態研究などに関する厚生労働省研究班の主任研究者も歴任。『8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識』(川端裕人氏と共著、集英社文庫)、『睡眠薬の適正使用・休薬ガイドライン』(編著、じほう)などの著書がある。近著は『朝型勤務がダメな理由』。